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『デベコン2001漂流記その2「世にも奇妙な物語」編』
レジストレーションもすませてほっとして、カンファレンスのセッション初日の前夜。
二人組は前日気合いを入れて、目覚ましをかけベッドに潜り込んだ。
朝の6時半。けたたましく部屋の目覚ましが鳴る。
カンファレンスは朝の開始が早くて夜までなにやかやびっしりスケジュールされている。
食事は会期中、ほぼ全部用意されていてかなり気に入っている。
朝食も用意されているが、7時には会場に入り朝食、早ければ8時からのセッションに備える。
初日は、キーノートセッションが8:30に開始なので、ちょっと余裕をこきすぎた。
ふたりとも朝からバスタブにつかり、日本のニュースを見ながらばたばた用意する。
やっと用意できてなんと7時40分になっていた。去年の経験からも8時ぎりぎりだと、甘くてたるいマフィンやらドーナツしか残っていないことは二人とも知っていた。
トーストしてうまいベーグルにありつくためには、7時半までの会場入りは必須と二人の胃はよく知っている。
鍵の確認よーし、ハウスキーパーのチップも忘れず枕の下に入れて、やっと出かける。

靴を履いて部屋のドアをNが開けた。Nはすかさずドアを閉める。
すぐ後ろに続いていたSもその理由は聞かない。二人とも無言に顔を見合わせた。

S&N「え・・・・・・。<しばし絶句>・・・・・。なんで、夜なん?」

そう、朝の日差しでまばゆいばかりのさわやかなイメージを頭に描き、ドアを開けた二人が開いたドアの向こうに見たのは真っ暗な空、静かな気配・・・。一瞬ではあるが間違いない。 なにかが間違っている。夢のはずがない。うん。

N「今は、いつ? 何時? ここどこやのぉ〜? 」
S「まぁ、おちつこ。そんなはずはないって何かが間違ってるねん」
そうはいっても何度確認しても部屋の時計は7:45分になっている。
お互い何かを確かめたくてうろたえながらもそれぞれ行動する。
S「あたし、たかさんに電話で聞いてみるわ」

電話に出る気配がない。

N「せや、さっきニュースでやってたやん。朝っぽかったで。ちょっとまって、もいっかい見てみるわ」

再度テレビをつけるが、表示時間は5:45になっている。が、日本のNHKの番組がそのまま流れているようで時間が合っているのか、果たして日付はいつなのかは頭にぱっと浮かばない。
二人とももう一度、おそるおそるドアを開けて外を見てみる。 空には三か月が真上に美しく、星がきらきら輝いている。相変わらずまわりは真っ暗だ。

S「まさか、朝の6時前やとしたらこんなに真っ暗で星が全開なわけないよなぁ?」
N「もしや、またぶっちしてしもた????」

実は、前年同カンファレンスで二人は最終日、朝の7時に目覚ましで目覚めることなく深く睡眠し、起きたときは夕方の5時という大失態をかましている。
そういえば、時差ぼけもあったが夕べはかなりぐっすりと寝た・・・気がする・・・か???
今は、翌日の夜なのか? いや、ここは夜の9時まで暗くならないところだ。これはまさしく翌日の夜中のようにも思える。 とにかく、一体今が何日で朝なのか夜なのか、だまされているのか(誰に?)一刻も早く確認しなければならない。
二人は、まずは車に乗り込み、変更されることのはずのない時計を確認する。やはり5時45分だ。 最終的には人に確認するしかないか?
でも、「いまは何日で何時ですか?」って変じゃない? そんなことを言ってる場合ではない。会場まで着いて、清掃らしき人にそのまんま聞いてみた。

N「あの・・正確にいまは何時でしょうか? ちなみに日付は・・・?」
「ほぼ6時よ。日付は13日の月曜日」

二人は、満面の笑みを浮かべ見つめ合う。
やったぁ・・・・・!! 日付は変わっていない。
やっぱり時計が間違って2時間早かっただけなんだ。

S「良かったぁ。なーんやぁ、ばりばり間に合ってんねんやん。」
N「ほんまや、うちらラッキーやなぁ」

そうね、恐ろしくもラッキーな話であった。
6時半から7時になるころ、夜は一気に明けた。ついさっきまでのあの星空は、この30分でどこに行ったんだ? アメリカは不思議だ。
やっと悪夢から覚め朝食が始まる頃、合う人の度に挨拶代わりに言われる言葉にまともに反応していた。
「やあおはよう、昨日はよく眠れたかい?」
「いやーーぁ、それが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
おしまい
(Reported:N嬢とS嬢)
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